これまで自分の歯並びにコンプレックスがあったり、歯並びが悪いために虫歯や歯周病に悩まされてきた方で、ずっと前から歯並びをよくしたいとは思っていた方は多いのではないでしょうか。しかし、世の中の多くの人を見ても分かるように、実際に大人になってから矯正治療を始める人の数はまだまだ少ないのは事実です。
歯並びを良くしたいのに、矯正治療に踏み切れない大きな要因が「矯正装置を付けることへの抵抗感」ではないでしょうか。
・矯正装置を付けていると周りの人の目が気になる
・矯正装置がついていると、仕事に差しさわりがある
・接客業、営業の仕事をしているので、矯正装置をつけて仕事をするのは厳しい
などです。
しかし、最近では矯正治療技術の発達により、裏側に装置を付けることで、他の人には矯正装置が見えないように歯並びの治療が出来るのです。
これはとても魅力的な治療法です。
周りの人の目を気にせず、今までずっと気になっていた歯並びを治せるのです。
しかし、良いことばかりではありません。
ですので、裏側からの矯正治療を希望される方は、その短所もしっかり理解したうえで、裏側からの矯正治療を始められることをオススメします。
裏側からの矯正治療の短所
- 裏側からの矯正装置は金額が高い。
- 裏側からの装置は、しゃべりにくくなる。
- 裏側からの治療は、期間が長い。
- 裏側からの治療は、噛みづらくなるし、痛みも多い。
今まで多くの矯正治療をしてきましたが、最近の技術の進歩発展を考慮に入れても、残念ながら事実のことだと考えています。
ただ、矯正装置が見えないということは、これらの短所を差し引いても、とても大きなメリットだと思います。
それでは、これらの短所に関して一つ一つ解説していきます。
裏側からの矯正装置は金額が高い。
この理由に関しては、一回の治療時間が、表側よりも時間がかかるからということと、装置が個人の歯並びや歯の形に合わせて、オーダーメイドされるからです。一人の患者さんの矯正装置を製作するだけで、25万円程度の料金がかかるのです。
治療時間に関しては、表側からの装置のほうが、治療が簡単なのに対し、裏側からは、見にくくなるため、同じ作業でも時間がかかってしまうのです。
裏側からの装置は、しゃべりにくくなる。
裏側に装置を着けますので、舌に装置が当たってしまい、発音が不明瞭になったり、しゃべると舌が痛くなります。
しかし、時間の経過とともに、慣れて痛みを感じなくなることもありますが、最後まで慣れなかったという人もいます。
裏側からの治療は、期間が長い。
歯の動きに関しては、表側も裏側も変わりません。ただし、裏側からの治療の方が、歯の動きをコントロールするのが難しいのです。
現在では、装置が進歩したことにより、治療期間は表側と比べて長くなることは少なくなりましたが、私の治療経験から、裏側の治療の方がやや長くなると考えています。
裏側からの治療は、噛みづらくなるし、痛みも多い。
残念ながら真実だと思います。裏側から装置がつくので、舌に当たって痛みを感じるようです。また上の装置と下の歯が、直接当たりやすくなるので、噛みづらいことも我慢しなければならないでしょう。
また、歯の裏側に装置がついてるので、食事をするときにも、食べづらかったり、舌が装置にあたることで痛みが伴います。
以上のように、裏側からの矯正治療は装置が見えないという大きなメリットがある反面、表側からの治療に比べて、費用が高額になるだけでなく、痛みや違和感など、我慢していただくことも多くなります。
しかし、裏側からの治療を希望される患者さんの歯並びを綺麗にしたいという意思は強く、これらの困難を乗り越えて、楽しく治療を受けている方も、多くいます。
装置が見えないということは、素晴らしいメリットだと考えていますので、表側に装置を付けたくないと考える方は、あえて裏側からのデメリットを伝えることにより、裏側からの矯正治療のメリットを感じていただけると思います。
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