院内新聞

平成最後の年に思う。

横須賀市久里浜・さいとう矯正歯科クリニック院長の斎藤伸雄です。
さいとう矯正歯科クリニックが開業したのは、平成8年でしたので、22年以上久里浜の地で矯正歯科治療を行ってきました。
平成の終わりを思いながら、今後の展望を語りたいと思います。
さて22年前、私は独身30歳という年齢で、歯科医院を運営することになりました。開業資金に関しては、身内に銀行関係者がいましたので、通常よりも多くの資金を借りることができたことは幸運だったと思います。
現在さいとう矯正歯科クリニックのあるビルの建築計画を聞いた瞬間に、直感的に、「ここで歯科医院を開業したい」という強い気持ちが沸き起こったのを覚えています。家賃は当然安くはありませんでした。家賃の支払いと借入金の返済も合わせると、今思えば大きなリスクを背負っていたことに気付くことができます。自分としては、矯正歯科専門医院ということだけは、こだわりたかったのですが、一般歯科医院と違い、患者さんを集めることは簡単ではありませんでした。当初は、一般歯科医院から、矯正治療患者を紹介していただくことができ、生活費こそ稼ぐことはできませんでしたが、何とか返済と医院の資金繰りをこなしました。しかし徐々に一般歯科医院からの紹介患者が減りました。
その理由は一般歯科医院が矯正治療を始めていくことが多くなってきたからです。消費税率が3%から5%に増加した年も患者数が激減して、資金繰りは少々危険な状況でした。消費税率が上がってしまったことが原因で、不況が再来し、日経平均株価もかなり低い水準となり、不景気な日本という雰囲気が漂う時代でした。
このような危機を救ってくれたのは、患者さんの口コミだと思います。本当に感謝しています。
1998年以降、徐々に矯正治療を開始する患者さんが増加し、結果的に資金繰りに苦労したことは一度もありません。かなり以前より無借金経営を続けることが出来ています。現在では資金を内部留保することが出来ていますので、前回の消費税率の増加による患者数の減少にも耐えることが出来ましたし、リーマン・クラスの大不況や次回10%の消費税率の上昇も怖くはありません。
矯正歯科医院を経営する上で、もっとも避けなければならないことは、経営破綻し患者さんの治療を中断してしまうことだと考えています。その点では、現在のさいとう矯正歯科クリニックは、経営的に非常に安定している歯科医院であり、安心して治療を受けていただけると自信をもって言うことができます。
次に避けなければならない事柄とは、自分自身の病気や怪我で、さいとう矯正歯科クリニックの治療が出来なくなってしまうことです。幸いにも、大きな病気や怪我もなく、健康な毎日を過ごすことが出来ています。
さいとう矯正歯科クリニックには、私以外にも矯正治療を専門に担当する歯科医師が所属していますので、もし私が診療できなくなったとしても、当分の間は診療が継続できるようになっていますが、これで全てが安心ということは出来ません。
自分を振り返り、最近重要だと思うことは、矯正歯科診療を始めた責任ということです。それは具体的に、矯正治療は長期の治療期間を必要とするため、自分が病気や怪我で診療が出来なくなったとしても、代わりに診療する歯科医師が必要であることと、自分が年老いて歯科医師をリタイヤしなければならない時が来たら、必ず治療を引き継いでもらうことが必須となります。
そのため、自分以外にも、しっかりとした治療計画を考案し、丁寧で親切な矯正治療が出来る歯科医師を育てる必要があるのです。
ですから、今後新しく歯科医院を開業し矯正診療を始める歯科医院では、矯正治療を引き継いでもらえる歯科医師を育てる責任が発生するということを、忘れないで欲しいと思います。

ちなみにさいとう矯正歯科クリニック開業当初の自分は、そんなことは何も考えない状況で、歯科医院を開業しました。
さいとう矯正歯科クリニックは、日本矯正歯科学会臨床研修施設として指定されています。ですので、今後これから活躍する若手歯科医師に矯正歯科臨床を指導し、できれば日本矯正歯科学会認定医・日本矯正歯科学会専門医の取得して欲しいと考えています。そして、いつか私が年老いて、歯科医師を辞めなければならない時が来ても、私が指導した優秀な歯科医師が、矯正治療の引き継ぎをする矯正歯科医院を目指して行きたいと思います。
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